The Asakusa Cobbler Original Shoes

この靴は、私の手持ちの現行靴の中では異彩を放っている。
あ?普通じゃね?と言われるかもしれない(特に嫁さんには)。
だがこの靴は普通じゃない。
一般的な内羽根の靴はこうだ。

そして、Asakusa Cobbler はこう。

レースステイに注目。
まず、紐穴の間隔が全て同じ。末広がりではない。
しかし、これはアレンの現行靴でもパークアベニューあたりで見られる。
ただ、少数派であることは間違いない。
しかし、もっと異彩を放っているのは、
レースステイとヴァンプの切り返しのステッチライン。
現行靴はこれが曲線的で、踵の方向に広がっている。
だが、アサコブ(めんどくさいから短縮)は直接的で並行に近い。
サイドから見たらその違いがよくわかる。

アサコブはサイドの切り返しのラインが直角に近い角度でストンと下がる。
このラインが50sに流行ったのは、多くの古靴好きの方々のブログからわかる。

なぜこの靴が50sの古い意匠なのか。
理由は、50sの靴をモデルにして作ったからだ。
残念ながら、私はこの手の本物(古靴ね)を持っていない。
だから作った。

異彩を放っているのは当然なのだ。
ところが、同じような意匠の靴が現行靴で他にもあった。

ハンガリーはブダペストの VASS "Alt English"
Alt = old , Englisch = English だから「古い英国風」という意味だが、アメリカ風じゃないのね。
紐穴の幅は全て同じだし、

アサコブほどではないにしても、すぐには下がらない。


確かにVASSのこのモデルは無骨で、スタイリッシュではない。
昔のスタイルそのまま?
化石のようなモデル(笑)。
古靴風の現行靴は好きだ。
しかし、そうそうあるもんじゃない。
「だから作ろうと思う時があるのだ」
と、嫁さんに言ったことがあるけどね。

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