京都出張から帰ってきた。
京都で与えられた自由時間はたったの1時間半。
で、京都タワー近辺から寺町通まで歩いた。


京都はどこを歩いても味わい深い佇まいの景色や建物や店に出会う。


さすが1000年の都、古都の名に恥じない街だ。
歴史好きの娘は京都の大学への進学を希望しているが、その気持ちがよくわかる。

だがこの日私が目指したのは、古都ならぬ古靴だった。
河原町通から寺町通に入り北上していると靴修理屋発見。
「Shape」という店。
真っ先に目に入ったのは、棚に並べられた内羽根の3足の黒靴。
デザインが同じでサイズが違う。
革はそれほど良いとは思わないが、靴のシェイプが素晴らしい。
甲や踵のラインはヨダレもの(笑)。
明らかに九分仕立て。
聞いてみたらパターンオーダーのサンプルだった。
始めたばかりでモデル数が少ないとのこと。価格は7万円だそうだ。
アーケード街にも有名な靴修理屋が。

そして目的の店「モラール」
以前訪れた時はこじんまりとした店だったが、今は移転して広くなり、靴の数も多くなっていた。
古靴の数がこれほど多い店は、高円寺の古着屋以来。
気になる古靴がいくつかあったが、残念ながらマイサイズがなかった。
ただ、一番気になったのは、ユケテンの未使用靴。
価格は手頃で、存在感があり、作りも良い。
しかしマイサイズはなし。
30分歩いてきて、また30分かけて帰るだけか・・・と思いながら店を出たら、すぐに気になる看板を路上で見つけた。
【ALDEN B.ブラザーズ Made in USA・・・「Mr.ホフマン(店名だと思う)」】
掲示板にペンキで手書きされた文字が気になりビルの2階へ
店はものすごく狭い。4畳くらいしかないのではないか?
60過ぎの雰囲気のある店主と雰囲気のある服、小物、そしてALDEN。
コードバンモデルが1点もので10足くらい。
コードバンとスコッチグレインレザーのコンビ(モディファイドVチップ)がとても気になった。
ただしマイサイズなし。
店主が「靴っていいですよねえ」と言いながら、私の靴を褒めてくれた。
入店した時、私の足下をじっと眺めていたのには気づいていたのだ。
靴好きは引き合う。
聞けば、60を過ぎて自分の服飾コレクションをどうしようかと考え、店を開いたのだそうだ。
B.ブラザーズのポロカラーシャツをはじめとして、私好みの英米の程度のいい古着が置いてあった。
マイサイズはなかったが、店主のお兄さんがアメリカで買い付けたものがもうすぐ届くそうだ。
開店したばかりで、電話は昨日ついたとのこと(笑)。
店主の神戸の友人が作ったという三つ折り革財布は価格が手頃で買おうと思ったくらい。
だがカード支払い可能なのは明日から(笑)とのことで断念。
店主は服飾業界に友人が多いようで(この人も服飾業界の人間だったのかもしれない)、私よりずっと年上なのに、靴や服について無邪気に語る姿が印象的だった。
短い時間だったが、楽しい時を過ごせた。こういう店がいい店だと思う。
偶然見つけた店だが、縁を感ぜずにはいられない。
次にこの店に行けるのはいつになるだろう?また来たいと思える店だった。
往復1時間近い京都散歩。
少し疲れたがこの店に出会えてよかった。
京都っていい街だなと改めて思う。