革の鞣しが気になったのには理由がある。
ここ数ヶ月、嫁さんの指が荒れ始め、指の皮が剥け始めた。
いくつかの病院を回った結果、金属アレルギーである事が分かった。
生活の中で金属に触れる機会は多いが、気をつけていても金属は色々なものに含まれているという。
ちなみに嫁さんの場合はアレルゲンの特定はできていない。
色々と検索していたら、クロム鞣しの革はクロムがアレルゲンとなって金属アレルギーを引き起こす、という記事を見つけた。
革で金属アレルギー?考えてもみなかった。
金属アレルギーを起こしやすい金属としてはニッケル、コバルト、クロムがある。
金・銀・チタンなどはアレルギーを起こしにくいそうだ。
嫁さんはクロム鞣しの革でアレルギーに?と考えたこともある。
であれば、鞣しの種類を知り、クロム鞣しでない革を使えば金属アレルギーをいくらかは防げる?
ところが、確かに昔は6価クロム(猛毒)を使っていたから危なかったらしいが、今は3価クロム(自然界に普通にあり、人体に必要な元素)で危険は少ないという話もある。
ん?「昔は6価クロム」?
じゃあ古靴は?
いろいろと考えてしまう。

以下は勝手な想像、意見だが・・・
前の記事でも書いたが、タンニン鞣しの革は手入れに気を使う必要がある。
シミができにくいクリームを使うべきでは?
クロム鞣しとタンニン鞣しでクリームを変えなければならない?
コードバンが雨に弱く水膨れができるのは、タンニン鞣しだからではないだろうか?

雨シミができやすいのはタンニン鞣しの革である可能性が高いかな。
雨の日にはクロム鞣しの靴を履いた方がよい。
革靴の中底に使われるのは、吸湿性の高いタンニン鞣しの革がいいだろう。
こう考えると、その革がどんな鞣され方で作られたのか知ることは、とても大事なことではないかと思える。
だが実際にはどうか。
革製品では
「この革はタンニン鞣しです」という説明は比較的多い。
今や極めて少数派となったタンニン鞣しの革は、それだけで売り文句になるのだろう。

一方、「クロム鞣しの革です」という説明はほとんどない。
あまりにも一般的で売り文句にならないから?
クロムというイメージも悪い?

そして、革製品の中でも、特に靴は鞣しについての説明がほとんど無いように感じる。
我々素人の多くは革の鞣しなんてわからない。
消費者に不親切ではないか?
メーカーがわかってないのか?
とても重要な情報ではないだろうか。
前回の記事の最後に出した財布の革はクロムエクセル。
これについては次回(のつもり)。