FC2ブログ

HUNGRY HEART~いつも何かを求めて~

地方在住の50過ぎの中年です。 靴や革製品などの他に、趣味や家族、社会などあらゆることについての自分の思いをだらだらと書き綴っていきたいと思っています。 何かコメントがありましたら遠慮なさらずにどうそ。

福岡 昭和の靴屋でオーダー


福岡の昭和の靴屋では色々と興味深い話を聞くことができた。

お勧めの革を見せてくれた。


20180803085050d2b.jpeg


店主曰く「本物のカーフ(仔牛)」

周りの靴と比べるとわかるが、確かに小さい。

そして薄い。

ライトブラウンとブラウンはニッピ、バーガンディは山陽だそうだ。


店主曰く、

山陽はバーガンディだけは最高。
他の色の革はここまでない。
素材が一緒でも色が違うと質が違う。

このニッピのカーフも最高。
もう今はこれだけのものは手に入らない。
ニッピは革を作るのをやめた。

とのこと。


調べると、実際にはニッピは企業として存続していて、皮革部門はニッピ・フジタとして活動している。
皮革の製造、卸をしているが、中国に工場があるから、日本製ではないという意味だろうか。

また、店主は日本製に誇りを持っていて、輸入革より日本製の方が技術は上、差は原皮の違いだけだと言う。
ただ、ドイツボックス(フロイデンベルグ)は別格だったそうだ。
輸入革至上主義は改めるべきなんだろうと反省。


店主曰く

革が小さいから、1枚のカーフから1足しか作れない。
足や首は血筋が入っているので靴には使えない。
とのこと。

なんと贅沢なことか。


店主曰く

黒はもうなくなった。
あとは数枚しかない。

確かに感触や艶から一目で良い革だというのがわかる。

ということで、ニッピのブラウンで作ってもらうことになった。

靴を注文するという目的意識を持って福岡に来たわけではない。
なのに衝動買いのようになってしまったのは、尋常ではない暑さのせいだ(ということにしておこう)。


デザインは、またもや内羽根キャップトゥ・・・にブローグを少し工夫しただけ。


ソールはレザーでお願いした。

すると、レザーソールなら良い底材を使うと言って見せてくれたのは


20180803085051bc1.jpeg

「レンデンバッハ」

この店で見るとは思わなかった(失礼)。

「私の靴にこのソールを?」

「ハイ」

他の底材と比べたらそれほど分厚いわけではないが、目が詰まっていて硬さが全然違う。


店主曰く

厚みがあるから丈夫だというわけではない。
時間をかけて乾燥させ、叩いて目を詰めると丈夫になる。

本来は底材の表面を削いで仕上げるところだが、「JR」の文字を消さないようにするそうだ。

なかなか粋なはからい。


ヒールのトップリフトはこちらが聞くまでもなくレザー✖️ラバーのコンビ。


ここの靴にはクッションのついた中敷が貼り付けられる。


201808040653342e0.jpeg

が、オーダーにするとこの革までグレードアップする。

本来アッパーに使う黒いシボ入りの革を使ってくれる。



アッパーを良い革にしただけで、なんだか付属品に良いものが付いてきた感じで嬉しい。

店主はご高齢だが、今の時代の情報やセンスも持ち合わせていると見た。


採寸も終わり、支払いも終わり、納期を聞くと

「申し訳ないけど・・・・」

(だいぶ待つんだろうな)

「1ヶ月くらいかかりますかね」

えっ?そんなに短いの?
バックオーダーが少ないからか?


全てを終えて店を出ようと思ったら、急に土砂降り。

今日の天気は晴れじゃなかったのか?

傘なんぞ持って来ていないので、しばらく雨宿りさせてもらった。


店主が私のALDENを見て

「良い靴ですね、ちょっと脱いで。」

何をするのかと思ったら、磨いてくれた。


201808030850535f6.jpeg 輝くALDEN


「雨が止んでも、一番気をつけないといけないのは道路から跳ねる水。手入れしておけば少しは防げる。」

良い人だ。


そういえば、エナメル靴を履いた若い女性がエナメル用のクリームを買いに来たが、半年に一度油(サラダ油でよい)を塗っておけばよい、特にシワの部分はしっかりと塗る、だからクリームは要りませんよ・・・と言っていた。

良い人だ。


雨宿りの間もいろいろな話をした。

岩田屋にセールで14万越えのグリーンがあったことを話すと、驚きながらも、中国の買い占めによる世界的な革高騰が靴高騰の原因の一つだと言っていた。

アジアの靴製造技術が急速に上がっていること

タンナーが減っているのはニオイも原因であること(環境問題ということだろう)

宮崎の不便な交通網の話

久留米の話 等々



楽しい時間を過ごせた。雨様様である。

ネットでは味わえない実店舗の良さ、醍醐味がここにはある。

この日は福岡に来た成果がないと思っていたが、この靴屋のおかげで充実した日帰りツアーになった。

この後の4時間のバスも辛くはなかった(というか、ほとんど眠っていた)

福岡に来た甲斐があったというものだ。

20180803085055199.jpeg 天神バスセンターにて
スポンサーサイト

 靴について

5 Comments

ころ  

お久しぶりです。

遅くにコメント失礼します。
ブログの内容から、あそこだなとお察ししました(笑)

オーダーされたんですね!私も行くと言いながらもう一年以上経ってしまいました…

私は黒で狙っている革があり、目星がついたので注文しようかと思います。

差し支えがなければ、ラストとか詳細なオーダーを教えていただけませんか?

よければ直接メールでやり取りできたりするとありがたいです。

2018/09/08 (Sat) 02:58 | REPLY |   

なおけんた  

Re: ニッピ現役なんですね

しんのすけさん

> お疲れ様です。
> 以前、日本製革について、しらべたとき、大倉財閥系企業で、ニッピがでてきましたね。でも、雑誌などみていても、ニッピはあまりでて最近こず、靴や鞄などの事業はやってないのかな、と思ってました。
> 歴史ある日本の製革産業の有名企業ですので、その実力やいかにというところですね。
> 出来上がりが楽しみです。

ニッピの今の主力事業はコラーゲンですね。
ただリーガルとの関係が深く、お互いに相手の筆頭株主になっています。
ニッピ・フジタとして様々なタンナーの革を輸入して卸しているようです。
車のシート用の革を中国で作っているようですが、靴や一般的な革製品用の皮革は作っていないのかもしれません。
今やニッピの革は貴重なデッドストックなのかもしれません。

2018/08/05 (Sun) 22:05 | REPLY |   

しんのすけ  

ニッピ現役なんですね


なおけんたさん

お疲れ様です。

以前、日本製革について、しらべたとき、大倉財閥系企業で、ニッピがでてきましたね。でも、雑誌などみていても、ニッピはあまりでて最近こず、靴や鞄などの事業はやってないのかな、と思ってました。

歴史ある日本の製革産業の有名企業ですので、その実力やいかにというところですね。

出来上がりが楽しみです。

2018/08/05 (Sun) 19:20 | REPLY |   

なおけんた  

Re: タイトルなし

europeanblend さん

> 私のもニッピのカーフということだったのですが、おそろしく良いです。
> 私のような幅広だとオーダーは不恰好になりがちですが、すごくスマートなフォルムで仕上げて頂きました。以前関さんが雑誌で、「日本人は幅広が多いんでそのまま作るとどうしても不恰好になる。それで誂え靴は格好悪いということになってしまった。」というようなことをおっしゃっていました。福岡の名人はその辺のセンスが抜群だと思います。
> たぶんビックリされると思います。楽しみですね^_^

europeanblend さんがオーダーされた靴を改めて見ました。
カッコいいですねー。
革が素晴らしい。
私もキャップトゥですが、もう少しブローグが多いです。
雑誌(たぶんLAST)を見ながら、アデレードタイプにしようとしたんですが、ちょっと閃いてデザインを若干変えました。
メダリオンはどうしようか考えたんですが、くどくなるなあと思っているときに、店主の「この良い革には穴はたくさん開けない方がいい」という言葉で決定しました。
1ヶ月後が楽しみになって来ました😊。

2018/08/04 (Sat) 12:45 | REPLY |   

europeanblend  

私のもニッピのカーフということだったのですが、おそろしく良いです。
私のような幅広だとオーダーは不恰好になりがちですが、すごくスマートなフォルムで仕上げて頂きました。以前関さんが雑誌で、「日本人は幅広が多いんでそのまま作るとどうしても不恰好になる。それで誂え靴は格好悪いということになってしまった。」というようなことをおっしゃっていました。福岡の名人はその辺のセンスが抜群だと思います。
たぶんビックリされると思います。楽しみですね^_^

2018/08/04 (Sat) 11:51 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment