Mark Boots を買って3ヶ月が過ぎた。

クロムエクセル・レザーはもうアタリが出てきてなかなかいい感じ。

右足の方が強く出ている。
この靴は、

屈曲性が凄くて柔らかい。
驚異的!
グッドイヤーなのに!
それはこの靴のプラット式グッドイヤー製法という特殊性のおかげである。
その特殊性とは、
グッドイヤーなのにリブがない。
グッドイヤー製法には、インソール裏に貼り付けた「リブ」と呼ばれるテープ状のものが不可欠。

このリブとウェルトとアッパー、ライニングをいっきに縫い付ける。

で、これにアウトソールを貼り付け、ウェルトとアウトソールを縫い付けて底付け完了となる。
堅牢で長持ちする靴が出来上がるが、重くて硬い(反りが悪い)というリスクもある。
個人的にはそのリスクも好きだけど。
必要不可欠なリブが硬さの原因の一つなのだそうだ(ソールなどその他にも原因はある)。
ハンドソーンウェルト製法はリブがない。
マッケイ製法にもリブがない(ウェルトもない)。
スニーカーにもない(当たり前だ)。
これらの靴は、グッドイヤーよりも柔らかい。
要するに、リブが無ければ柔らかい。
だが、元々、機械でウェルト式の靴を作ろうとしてリブがついたのだ。
リブのないのはグッドイヤーではない・・・はずだが、リブをなくした特殊な靴が Mark Boots 。
その特殊性はインソールに見える。

インソールのエッジ

ステッチが見える。
つま先部分も


このステッチは手縫い(機械では縫えないそうだ)で、アッパー(+ライニング)とインソール(クッション入り)を袋状に縫ったもの。
グッドイヤーの靴にはまず見られない特徴。
アッパーとインソールの縫い合わせ部分のエッジには、縫い代がグルリと一周している。
この縫い代をリブに見立ててウェルトを縫い付ける(と私は解釈している)。
アウトソールの底付けはグッドイヤーと同じ。

ボロネーゼ製法にウェルトを加えた製法かな?
※ ボロネーゼグッドイヤー製法とは違う。
製法なんかどうでもいいのかもしれないが、屈曲性に優れ、柔らかくて軽い、しかも長持ちするという靴が出来上がった。

コバの張った重厚な靴が好みだが、歳を重ねて「重い靴は疲れるなぁ」と感じるようになった見栄っ張りの中年にとっては強い味方になるのだ。
もちろん私のことだ。
