東京1日目、J.S.T.F.のあとに寄ったのは

永代製作所( EVERLASTING )
白山通り 京華学園の真向かいにある。
J.S.T.F.よりはウェルカムな雰囲気(笑)。道行く人はけっこう覗いてくる。
主の宮澤さんはとても気さくで話好きで元気が良い・・・・ん?橋本さんと同じだな。
見た目も温かい雰囲気の方で、気を遣わずに話ができる・・・・だからまた・・・・会話が続くのである(笑)。
さて本題・・・

店に入ったらすぐに靴が飾ってある。

レザースニーカーとウェルトシューズ


これはアノネイの革だったかな(デュプイだったかな)?
今オーダーできるのはこれだけ。
小さな工房で資材以外のすべてを自社で生産するので、このモデル数で精一杯なのだと思う。
だが、その分個々の製品に細部まで目が届きやすい。
実際、実物を見てみると非常に質が高いのが分かる。
写真で見ても高品質であることはわかるが、実物を見たら本当にびっくりした。
だから
モデル数は少ないのにしばらく迷ってしまった。
「スニーカーにしようか」
「グッドイヤーのプレーントゥにしようか」
「いっそ両方にしようか・・・」
そして、泣く泣くスニーカー一本に絞る。

たかよひさんやIronさんのブログを見て気になっていたスケルトンシューズでサイズ合わせ。
靴の中の自分の足ってこうなっているのだね。捨て寸が結構ある。
私は左足が右より5mmほど短く甲も若干低い。
左右サイズ違いでオーダーできるということだが、このスニーカーのサイズは1cm刻みなので、5mmの差なら同サイズとなる。
サイズは27cmで決定。
27cmのサンプルに足入れ。

カッコイイ!この靴で注文していいんじゃね?と思うほど。

国産の革で、オイルが入ったしっとりとした素晴らしい革。
正直、スニーカーでここまでの革を使ったものは見たことがない。
スニーカー用の革サンプルでアッパー選び

マットなシボ革がやっぱりいいな・・・・と思ってみていると、もう一つの革サンプルが

ブラッチャー(ウェルトシューズ)用のサンプル
そこで気になったのが光沢のあるシボ革ネイビー(2段目左から4番目)。
「ブラッチャー用の革をスニーカーに使ってもいいんですか?」
「大丈夫です。」
と言いながら、宮澤さんはこの革の大判を見せてくれた。

惚れた!これに決めた。
実は、このグリーンのサンプルシューズのアッパーはこの革なんだそうだ。
2年間毎日紫外線を浴び続けた結果。
確かによく見たらグリーンがほんの僅か入っている感じがする。
名前は「ローレルブルー」。アッパー決定。
後はシューレースの形状や色、ライニング、ハトメなど細部を決めた。
ハトメは小さめで渋い色のものを選択。

こうなりました。
完成は約1か月後。
ついでに、ウェルトシューズの方もサイズ合わせをしてもらった。
「後日、おそらく注文すると思うので、その時はメールで注文できるように」という私の願いを聞き入れてくれて。

こちらは左26、右26.5となった。忘れないようにオーダーシートの右上に記載してある(笑)。
ということでオーダー終了・・・・というわけにはいかない(笑)。
その後は工房の見学と靴談義。
宮澤さんはすべての製作現場を見せてくれた。
見たかったけどこちらから言い出すのはいかがなものかと躊躇していたら、宮澤さんの方からどうぞと・・・。

クリッキングの機械

ミシン

これはJ.S.T.F.にあったのと同じ踵のつり込み機

何だったっけ?

?
とにかくたくさんの機械があり、多くは中古で手に入れたもの。
新品の機械は値段が高く、しかもこの業界の厳しさゆえ、廃業するところも多く中古が出回る。
というところから業界のディープな話をたくさん聞くことができた。

凄い量の革のストック。貴重なものもある。
革の話から業界のディープな話が・・・・・・(笑)
もう楽しくてしょうがない。
素晴らしい靴をオーダーし、貴重な話を聞くことができて、はるばる都城からこの工房兼店舗に来てよかった!


なにより宮澤さんの人柄が良い。
靴への愛情、靴づくりへの情熱にあふれていた。
もともとは大塚製靴のビスポーク部にいたそうで、自分の思い描く靴づくりのために独立したそうだ。
すべてを自社工房で作り、中間マージンを排することで、高品質の靴を適正な価格で売る。
もちろん平たんな道ではないだろうが、未来への夢があって、それに近づいている姿は眩しく思えた。
こういう人は応援したい。
満たされた気持ち、さわやかな気分で店を後にした・・・・・・・
が!
永代製作所とはこれだけでは終わらなかった。
それは次の記事で。