ヤバいヤツ!オーツカプラス OP-1001

既に紹介した通りのヤバさ(前の記事参照)
シューツリーを入れっぱなしにしてたら

型崩れは少しは良くなった。

この前はこうっだたからね

でも一番気がかりなのはコレ

ウェルトとソールの剥離(矢印と矢印の間)
少し角度を変えると


ステッチが見える。
これは出し縫いステッチではない。ウェルトの掬い縫いステッチである。
このような現象が起こった理由がここにある。
大塚製靴のHPに答えがあった。

(大塚製靴オンラインショップより)
この説明にあるように
前部分はグッドイヤーだが、土踏まず部分は出し縫いを施しておらず(ウェルトはある)、接着剤で接着しているだけである。
決して手抜きではなく、ウエストを絞り込むためにそうしたのだ。

たしかに

矢印部分から後ろは出し縫いステッチがない

シェットランドフォックスのフラグシップ「ケンジントン」も同じ発想だが、こちらはこの部分をマッケイ縫い(土踏まずはウェルトなし)にしている。
で、オーツカプラスはこの工夫が仇となった。
履き続けるうちに、ステッチをかけていないウエスト部分が剥離してくる個体が出てきた。
今はこの欠点(というか失敗)を改良している。
現在のリニューアル版は、全面グッドイヤーウェルト製法である。
品番も「OP-1001N」「OP-1001NA」と末尾に「N」が付いているそうな。
これなら剥離はない。
しかし、全面グッドイヤーにすると、ウエストの絞りは甘くなるのでは?
シェットランドフォックスのようにすればよかったのだろうが、真似しちゃいけないのかな?それとも最古参メーカーとしてのプライド?
ちなみに、中底はこうなっている。

中底に走るステッチは、おそらくリブを縫いつけたもの。
上の大塚製靴の説明にあるように「リブテープのかわりに柔らかい革」をつかっているので、革リブを縫い付けたステッチだと思う。
Foot So Port にも同様のステッチがある。
コレは素晴らしい。
グッドイヤー製法の欠点の一つが、接着したリブテープの剥離。
縫い付けることでその欠点を解消しているわけだ。
残念なのはリブにはステッチを施し、ウエスト部分のウェルトにはステッチを施さなかったことだ。
しかし、天下の大塚製靴のすごいところはここから。
この靴のことをメールで聞いてみたら、無償で追加ステッチをかけてくれることになったのだ。
ヤバいヤツは大塚製靴へ送ったばかり。
約1ヶ月後にはリニューアルされて(おそらく土踏まず部分だけだが)帰ってくる。
どのような出来なのか、楽しみである。
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