fc2ブログ

HUNGRY HEART~いつも何かを求めて~

地方在住の50過ぎの中年です。 靴や革製品などの他に、趣味や家族、社会などあらゆることについての自分の思いをだらだらと書き綴っていきたいと思っています。 何かコメントがありましたら遠慮なさらずにどうそ。

地元の靴屋で


自宅からクルマで10分ほどしかかからないところにある靴屋。

20201214212911a42.jpeg


ここは宮崎市の目抜き通り(だった)「橘通り」の南の方にある。
宮崎県庁が近くにあり、最も賑やか(だった)な北部の3丁目に比べるととても静か。
人通りもほとんどない。橘通りが郊外型大型小売店のおかげで目抜き通りとしての地位を失った昨今では、ここはゴーストタウンのようだ。

そこにひっそりと佇むこの店は、靴屋なのにタバコを売っている。
客もほとんどなく、市内の高校の指定靴を取り扱っているようだ。

だが、店先には

20201214212908eb9.jpeg


こんな看板があるので入ってみた。

店内には高齢のご夫婦。

店内には「リーガル」の看板があるのに、リーガルの靴が1つもない(笑)。
サンダルや草履、セメンテッドの靴ばかりで不安になる。

「あの・・・こちらは靴の修理をしてるんですか?」
「ハイ、どんな修理ですか?」とご主人

「靴の甲がきついのでストレッチをしてもらおうと」
「ああ大丈夫ですよ、長さは伸ばせませんが、幅出しは機械でゆっくりとやりますから。靴は?」
「今日は持ってきてません。それから、靴底のつま先の補修されたところがまた擦れて替え時なんですが。」
「つま先にゴムを当てて補修します。え、革?革でもできますよ。」


それじゃ、今度持ってきます・・・と店を出た。

ご主人との会話に出てきた修理とはコイツのこと

20201212212045aec.jpeg


「Hall & Marks」をこの店に入院させるかどうか迷ったが、次の日に持っていった。

202012142129080b1.jpeg

この日の靴は浅草の「J.S.T.F.」で作ったモンクストラップ。

自分以外の客はおらず、ご主人もいない。

店番をしていた奥さんと話をした。

「昨日の者ですが、靴持ってきました。」
「ハイハイ」

「こんな風に甲がきついので伸ばしてください。」
「親指の付け根から靴紐のところまで、両足とも全体的に伸ばしましょうかね」
「お願いします。料金はいくらですか?」

「800円ですね」

え?いいんですか?と思いつつ

20201214213122635.jpeg

「靴底のつま先補修もお願いします。ゴムじゃなくて革を貼ったら高くなりますか?」

「いいえ、同じ値段です。1,000円ですね。」

ええっ、いいんですか?と思いつつお願いした。

ストレッチとつま先補修(共に両足)で1,800円(税込)‼️

激安‼️



せっかくだから少し話をした。

「昔から靴の修理をしてらっしゃるんですか?」
「元々は私の父が靴職人で靴を作っていたんです。主人も父から習って靴を作っていました。昔は靴を誂える人が多かったんですけど、だんだんと売る方に変わっていきましたね。」

この店は奥さんの実家だったのだ。
奥さんは子供の頃から父親の靴作りを見てきたそうだ。
昔は靴作りは分業制で、木型を調整する職人、アッパーを縫う職人、底付をする職人などが近所にいて、靴を作っていた。
だが高齢化で職人が1人また1人と引退していくと靴は作れなくなった・・・。

「もう靴は作らないんですか?」
「いや、もうとてもとても。木型も全部処分してしまいましたしねえ」
そして靴を売りながら修理の仕事を続けてきたのだそうだ。

よく聞く、靴作り衰退の話だ。
今は亡き浅草の三交製靴や鹿児島の稲森靴店、今も現役の福岡の靴屋でも同じような話を聞いたことがあるが、宮崎にも靴作りの文化があったのには驚いた。

今は日本各地で若い人たちが靴作りを盛り上げてくれているが、一度完全に消えてしまった宮崎の靴作りの灯はなかなか元に戻らない。

貴重な話を聞くと共に、寂しさも感じた1日だった。

修理の出来上がりは1週間後。

不安と期待が入り混じっている。


202012142128561f8.jpeg


スポンサーサイト



 靴リペア

0 Comments

Leave a comment