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HUNGRY HEART~いつも何かを求めて~

地方在住の50過ぎの中年です。 靴や革製品などの他に、趣味や家族、社会などあらゆることについての自分の思いをだらだらと書き綴っていきたいと思っています。 何かコメントがありましたら遠慮なさらずにどうそ。

ウェルトのステッチと意匠について


ウエルト靴の出し縫いステッチと意匠について新たに知ったことがある。

こちらの靴

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銀座ヨシノヤの九分仕立て(小笠原シューズ製)
まだ履き下ろしてない(笑)。

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ステッチに目付けがある。



こちらの靴

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ローリングダブトリオ「コペン」
購入以来履きまくってる(笑)。

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ステッチのみで目付け無し



こちらの靴

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ジョンストン&マーフィー(リーガル製)
アッパーは何とカールフロイデンベルグ

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目付けのみでステッチが見えない

このステッチが見えない意匠は、ウェルトにメスでスジ状の切れ目を入れて、そこに出し縫いステッチを埋め込んでいる。

私はこれを

「出し縫いステッチを隠すことで靴をエレガントに見せる」意匠だと思っていた。

誰か(靴屋や専門家)からそういう話を聞いたのか、雑誌の記事で読んだのか、自分の勝手な思い込みなのかわからない。

手間のかかる作業だと思っていた。



だが、生産者側の専門家からこの意匠の真の意味を教えてもらった。

ハッキリ言ってしまうと、この意匠の目的は


「目付けをする際にステッチを切らないため」なのだそうだ。


詳しく言うと、ステッチが表面に出ている状態で“機械で”目付けをすると、糸が切られてしまうことがあり、そのリスクを回避するため。

と言うことは、この意匠は、目付けを機械で行なっている証拠である。

ウィールという道具を転がしたり、目付けコテで1本1本目付けする(ヨシノヤのはそれ)のではなく、機械で・・・。

どんな機械か知らないが、目付けの時間短縮になるのだろう。

リーガルが特許を持っているという記事も読んだ。

ビスポークでは、ウエルトの上部を蓋のようにめくり、出し縫い(手縫い)をした後に蓋を閉めてステッチを完全に隠す意匠がある。ヒドゥンチャネルのウェルト版だな。

これを「ブラインドウェルト」とか「ブラインドステッチ」と言うそうだ。

リーガルはブラインドステッチに似た雰囲気を機械で実現しようとしたのかもしれない。

それはそれで素晴らしい企業努力。

その昔、手縫いで時間のかかったウェルト式シューズを大量生産できるように機械縫いにしようと開発されたのがグッドイヤー製法だった。

機械を使うことが全て悪いことではない。

悪いなんて言ってたら中世に戻らなければならない。

技術革新の1つなのだ。

リーガルのこのウェルトの意匠も、靴製造上の技術革新だと思う。

靴の世界は奥が深い。

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 靴について

4 Comments

なおけんた  

Re: タイトルなし

Iron さん

【アーチケリーでオーダーした際、ビン靴のような目付けを再現するには今のところハンドで行うしか方法が思いつかないと清水川さんが仰っていました。でも、ビン靴は大量生産されていたはずで、それを1足1足ハンドで目付けをしていたのか?もしかしたらステッチを縫うと同時に目付けもできる機械があったのでは?とビン靴の目付け方法は謎に包まれているとのことでした。】

リーガルがやっているような目付けの機械化は、ステッチが表面に出ていると切れてしまうそうですからね。ビン靴にはちゃんとステッチが見えてますよね。
ハンドによる目付けといっても、ウィラーのような道具だったら比較的速く目付けできそうな気がしますが、それはハンドとは言わないのでしょうかねえ。
歴史を探るって面白いですね。

2020/12/23 (Wed) 18:34 | REPLY |   

Iron  

アーチケリーでオーダーした際、ビン靴のような目付けを再現するには今のところハンドで行うしか方法が思いつかないと清水川さんが仰っていました。
でも、ビン靴は大量生産されていたはずで、それを1足1足ハンドで目付けをしていたのか?もしかしたらステッチを縫うと同時に目付けもできる機械があったのでは?とビン靴の目付け方法は謎に包まれているとのことでした。

2020/12/23 (Wed) 18:24 | EDIT | REPLY |   

なおけんた  

Re: 面白いですよね

しんのすけさん

【お疲れ様です。なるほど、出し縫いの糸がみえないのは、意図的だったのですね。いつも、オールソールのときどうなるんだろう?と不思議に思ってました。興味深いです。
いまでも、シェットランドフォックスで、ヤハズ仕上げがあるじゃないですか。コバの仕上げに拘るのは、日本製なのかな…と思ったりしました。(ただ、だれが始めたかわわかりませんでした…。)
ではでは、失礼します。】

「糸が見えないのは意図的」韻を踏んでますね。
その意図がデザイン上のことかと思っていたら製造上のことだったというのが驚きでした。
同じ業界の方のいう事ですから確かでしょう。
日本人がコバにこだわるのは、コバの仕上げが靴の美しさに大きく影響するからかなと思うんですが。
とても日本的だと思います。

2020/12/22 (Tue) 18:50 | REPLY |   

しんのすけ  

面白いですよね

なおけんたさん

お疲れ様です。なるほど、出し縫いの糸がみえないのは、意図的だったのですね。いつも、オールソールのときどうなるんだろう?と不思議に思ってました。興味深いです。

いまでも、シェットランドフォックスで、ヤハズ仕上げがあるじゃないですか。コバの仕上げに拘るのは、日本製なのかな…と思ったりしました。(ただ、だれが始めたかわわかりませんでした…。)

ではでは、失礼します。

2020/12/22 (Tue) 07:41 | REPLY |   

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