東京は代官山の「studio.CBR」という店から購入。

このご時世だから東京へ行ったわけではなく、ネットで購入。
最初は「studio.CBR」がヤフオクに出品していたのを見つけて興味を持ったが、送料が安いショップの方で買おうと・・・・。

この靴、浅草のセントラル靴が製造したとのこと。
セントラル靴は靴好きの間では非常に有名なファクトリーだが、基本的には裏方で、一部の例外を除いて、自身のブランドはあまり展開していない。
その一部とは・・・・
○ 一般にはあまり知られていない頃は、「千虎流」(ちょっとダサい)という名前で個人注文を受け付けていたことがある。
○ 雑誌などで有名になってからも、直接ファクトリーで注文もできた(今は知らない)。
○ 最近は、WFGでオリジナルブランド「セントラル」を展開した(今も?)。
トレーディングポスト、三陽山長、RENDO、ブロセント、KOKON・・・・・多くのショップオリジナル、ブランドを手掛ける偉大なる黒衣ファクトリーである。
で、この靴はどこのかというと


「テイジンメンズショップ」のオリジナルシューズである。
「テイジンメンズショップ」(テイメン)とは

1960年に銀座にオープンして以来、日本のトラッドファッションを牽引してきたセレクトショップ。
私も東京に行くたびに寄っていた。ココで買ったカジュアルシャツは今でも愛用している。
ところが・・・・なんと今年の3月に閉店していた!
60余年の歴史に終止符を打ったのだ。全国各地のテイメンも全て閉じられた。
知らなかった。
ならば、この靴はテイメンが残した形見のようなものだ。
購入した靴に何かしらの意味や意義、理由を求めるのは私の悪い(ずるい)癖だが、そういう感情もモノを所有するうえでは大切な要素だと思う。

この靴をネットで買うにあたって、一番の悩みの種はサイズ感。
既に持っている靴のブランドなら、ある程度のサイズ感は予想できる。
もちろん同じブランドでも木型によってサイズ感は違ってくるが、木型の特徴を分かっていれば何とかなる場合が多い。
自分でいうのもなんだが、経験がモノを言う。
家族に白い目で見られながらも、無駄に多くの靴を手にしてきた経験(笑)。
オークションなどで、出品された靴のサイズ感が今ひとつわからなくても、出品者(業者を除く)のその他の靴のブランドとサイズを見れば、だいたい見当がつく。
だが、セントラル靴はブランドごとに多種多様な木型を取り扱っていて、悪く言えばサイズ感に統一感がない。
「studio.CBR」は業者だから、多種多様なサイズの靴を取り扱っている。
サイズごとに分類してくれてはいるが、それだけではわからない。
そういう場合は必殺「質問メール」である。
自分が主に履いている靴のブランドとサイズを明記して、聞いてみた。
当然メールで返信が来ると思っていたら、なんと直接電話がかかってきた。
何と親切なことだろう。
過去に2度ほど実店舗を訪問して、実際に靴を購入したことがあるとはいえ、電話でサイズ感を具体的に教えてくれた。
面白いのは、この靴とサイズが近い複数の靴に、シューツリーを入れてそのフィット感で応えてくれるところ。
なるほど、これは参考になった。
しかも過去に購入した私の靴(と私のことも)も覚えていてくれた。
こちらの細かいかつしつこい(笑)質問にもきちんと答えてくれた上に、押し付けるような売り方はしない。
さんざん質問した挙句「もう一度検討してみます」という私の言葉にも、「よろしくお願いします」という自然な受け答え。
ここまでやってもらうと、買う側のストレスもなく、ある程度安心して購入できる。
多少は不安があっても、たぶん大丈夫という気になる。
果たして、届いたこの靴はサイズがばっちりだった。
ネット販売でも実店舗のような対応。
コロナ禍の今、こんな店が良い店だよなあと思う。

さて、今は亡きテイメンのオリジナルシューズ、詳細は次回。