
鹿児島の古い注文靴店でつくった靴。
店の親父さんは御歳70を超えていらっしゃる。
店はお世辞にも綺麗とは言い難く、昭和の香りがぷんぷんする。
注文時に何も言わなければ、底付けは手縫いのマッケイでつくるが、
お願いすれば、¥2,000~¥3,000(なんと!)のアップチャージでハンドソーンウエルテッドでつくってくれる。
しかも10分仕立て。

革は本物のカーフ。
まさに子牛の革と言えるくらい面積が小さく薄い革だった。
出来上がった靴はとても華奢に見える。
婦人靴に使うような薄い革なので、皺がすごい。
とても柔らかくて、耐久性は大丈夫か?と不安になる。
飾り穴は雑。
ピンキングも雑。
アッパーの縫製も雑。
手づくり感がものすごくあり、つま先もぽってりしている。
履き心地はとてもルーミー。
全体的に緩めに作っていて、中敷きで調整する感じである。
店だけでなく、靴も昭和の雰囲気がぷんぷんする靴であった。
もちろん、作ったのはほんの数年前で平成時代のものですが・・・。


はっきり言って、履き心地は既成品の方がずっといい。
結局、東京のオーダーインソール店で、この靴に合った中敷きを足形に合わせてつくってもらい、それを敷いて履いている。
文句を言えばきりがない靴ではあるが、誕生時より持ち合わせているヴィンテージ感と妙なかわいらしさが印象的である。
ここしばらく履いていなくて、埃をかぶっていたが、急に履きたくなり手入れをした。
タピールの靴クリームで磨いたら、いい感じに輝いてきた。
イケメンではなくとも、ブサイクであっても、愛しさは感じるモノなのだ。
明日はこれを履いて職場に行きます。