「セカイモン」からアメリカのオークションで手に入れたKenmoor
届いた箱を開けてみたら


汚い。
「セカイモン」の画像は小さいくて確認しづらく、格安だったから嫌な予感はしていたが、これは汚い。
手入れとは無縁の代物。
全体が埃だらけでうっすらと白い。
ピンキングの一つ一つに埃がたまっている。
ウエルトの縫い目も埃に埋まってよく見えない。
アッパーもかさついて元気がない。
「埃高きインペリアル」であった。
しかし、せっかく手に入れたんだからと地道に手入れ。
逆にこういう靴のほうが手入れのし甲斐がある。
埃を払い、ステインリムーバーで汚れを取り、ウエルトを使い古しの歯ブラシで擦り・・・・
デリケートクリームを塗り込み、コロニルディアマントを・・・・
と、考えうる処理を施したらこうなった。


見違えるほどきれいになった。

手入れした自分がびっくりした。
革はしなやかで、艶があり、指で触って気持ちがいい。
サイズは9EEEと若干緩かったが、それを補って余りある質の良さ。
自作インソールで調整してOK。
埃まみれの汚い靴が、ちゃんと手入れをすることで大きく変身。
大げさだが、シンデレラである。
磨き手としても素直にうれしい。
こういうことがあるから古靴の世界は魅力があるのだ。
ヒールはオリジナルではなくラバーになっていたが、それもかなり擦れていた。
それで大阪のリペア工房「BONTA」でヒールをリペアしてもらった。


前回紹介したKenmoorとは対極の靴である。
この靴は今でも私のお気に入り。
手放すつもりはない。
埃高きインペリアルは「誇り高きインペリアル」になった(褒めすぎか)。