


状態もなかなかいいし、ヒールには V-Cleat と釘が打ってあるのでそこそこ古い靴である。
ebayの説明では、この靴は「Nettleton製である」と書かれていた。
それで入札したら(格安だった)だれも入札せずに落札してしまった。
で、気になっているのは、これは 本当にNettleton製なのだろうか? ということ。


手持ちのネトルトンと比べてみた。


他の靴がサドルではないということを割り引いても違うような気がする。
ソールなんて材質、出し縫いの雰囲気、仕上げなど全く違う。
そういえば、NettletonのヒールはOwl Eye Cleatのはず。



Nettletonのライニングは、前方部分に小穴がたくさんあいているが、Searsのライニングには穴が開いていない。
中敷きも全く違う。
はっきりした。これは Nettleton製ではない。
では、どこが作ったのか?
SearsはHanover製が多いが、インソールや中敷きを見てもHanover製ではなさそうだ。
しかし、ここで連想ゲームのようにひらめいた。
Sears → Hanover → Bostonian
ただの勘だが、Bostonian のサドルシューズの画像を集めてみた。






そして、この Sears は・・・・・



レースステイ部分一番手前の2列ステッチ。
アイレットの数、外ハトメのデザインと材質。
踵の直線の縫い目。
踵のライン。
サイドビュー。
・・・・・・・・・・同じではないか?
Bostonian製の可能性が極めて高い と思うがどうだろう?
ん?待てよ?BostonianはHanoverの工場を90sまで使っていたということだから、この靴はHanover製か?
だんだん訳が分からなくなってきた。
はっきりわかることは、
出品者の説明は間違っていたこと、
それを十分に確かめずに飛びついてしまった自分が情けないということ、
間違ってはいたが、この靴はなかなか品質はいいということ、である。
それからもう一つ。
靴の出自や年代をいろいろと検証するのはとても面白いこと、である。

~~追記~~
この記事を載せた後に、この靴がNettletonである可能性も出てきた。
次の記事で紹介したいと思う。