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HUNGRY HEART~いつも何かを求めて~

地方在住の50過ぎの中年です。 靴や革製品などの他に、趣味や家族、社会などあらゆることについての自分の思いをだらだらと書き綴っていきたいと思っています。 何かコメントがありましたら遠慮なさらずにどうそ。

CHURCH'S と MASTER LLOYD

まだ続く「CHURCH'S」ネタ。

今日、125周年モデル(以下125と呼ぶ)を履き下ろした。
中古の古靴だから履き下ろしたと言うのはおかしいが、気分的には履き下ろし。

①初履き (640x411)

革の柔らかさが履き心地に直結していて、とてもフィットしてくる。
包み込まれるような感覚。
サイズも驚くほどぴったり。

左足の中敷きの下には、踵の調整用の革が仕込まれている。
これは、私が既成靴によく施す調整と同じ。
私は左脚の長さが右脚よりも5mmほど短かく、しかもくるぶしの位置が少し低い。
この靴の前の持ち主は、私とほぼ同じ特徴の足と脚なのかもしれない。

この125のレースステイ部は、いわゆるアデレード型と言われるものである。
自分の靴で同じアデレード型と比較してみた。

②ロイド (287x640)   MASTER LLOYD 「SURREY」

御存知、ロイドフットウェアの靴で、クロケット&ジョーンズ製。
125と並べてみた。

③1 125とロイド (480x640)  ③2 アデレード比較 (640x442)

アデレードというだけで、あとはずいぶん違う。
しかし、共通して見えるレースステイも実はずいぶん違う。

④1 125アデレード (640x329) ④2 ロイドアデレード (640x524)

125は、レースステイをアッパー本体に上からかぶせるようにして縫い付けている。
ロイドは、レースステイをアッパー本体に潜り込ませるようにして縫い付けてある。
一般的には、ロイドのタイプが多いので、125のようなアデレード型は珍しい。
どちらかというと、サドルシューズのイメージだ。

⑦1 125閂なし (392x640) ⑦2 ロイド閂 (517x640)

そして、125には、内羽根の一番下の糸の閂がない。
一般的な内羽根モデルは、ロイドのようにここに閂があるか、革で補強している。


⑥1 125ライニング (640x378) ⑥2 ロイドライニング (640x479)

ライニング。
ロイドのライニングも柔らかでいいが、125のライニングが明らかに革が素晴らしい。

⑤1 125滑り革 (640x479) ⑤2 ロイド滑り革 (622x640)

ライニングのかかと部分、いわゆる「滑り革」だが、125は裏革である。
ロイドは表革。ロイドの方が高級感があるように見える。

⑧1 125革 (395x640) ⑧2 ロイド革 (499x640)

アッパーの革は、こうやって比べると125の細かいシボがよくわかる。

⑨出し縫い (561x640)

出し縫い。
ロイドは出し縫いの糸が上から見えないようにしている。
出し縫い糸は、ウエルトの細い溝(うっすらと見える)の中に埋まっているのだ。
チャーチはそういうエレガントさは求めないのだろう。
出し縫い糸は太く、露骨に現れている。

⑩ソール (469x640)

最後にソール。
125の方がヒールがずいぶんでかく見える。
これは、125が360°グッドイヤー製法で、出し縫い糸が靴の外周をぐるりと一周しているからだ。
イメージ的には、アレンエドモンズである。

土踏まずの絞りはどちらも素晴らしいが、125の方がグラマーだ。

ロイドは出し縫い糸を隠しているが、125は出し縫い糸は出たまま。
このような上級モデルでも、チャーチのポリシーは変わらないのか?

チャーチというメーカーは、エドワードグリーンのような靴は求めていないのだろう。
質実剛健、朴訥・・・そんなイメージを感じる。
個人的には大好きである。
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 靴について

2 Comments

なおけんた  

Re: タイトルなし

tomo さん

> チャーチのイメージ。
> もちろん旧チャーチ、旧旧チャーチ
> など現行以外のものですが。。。
> 素朴、朴訥、頑丈、野暮、悪口
> みたいですが、ケチなイギリス人
> が求める頑丈、そして味のある
> 最高の靴だと思っています。
> 現行のジョンロブ(パリ)とかグリー
> ンとか見ているとお上品過ぎて
> イギリスらしくないと感じます。

チャールズ皇太子とか、古くて破れた革靴のアッパーに革をつぎはぎして履いてましたね。
ロンドンロブは野暮ったい感じですもんね。
チャーチの自分のスタイルを頑なに守り通す姿勢は、まさに「英国の良心」と言われるところかもしれませんね。
同じ英国靴でもグリーンとは対極の存在なのかもしれません。
プラダに買収されてからはそのスタイルに変化が出ているのかもしれませんが、一度なくなった木型をまた使っているようですし、原点回帰をしているのでしょうかねえ。

旧チャーチ、いいですねえ。
これからのめり込むかもしれません。

2015/01/07 (Wed) 23:31 | REPLY |   

tomo  

チャーチのイメージ。
もちろん旧チャーチ、旧旧チャーチ
など現行以外のものですが。。。
素朴、朴訥、頑丈、野暮、悪口
みたいですが、ケチなイギリス人
が求める頑丈、そして味のある
最高の靴だと思っています。
現行のジョンロブ(パリ)とかグリー
ンとか見ているとお上品過ぎて
イギリスらしくないと感じます。

2015/01/07 (Wed) 23:18 | REPLY |   

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