


丸善時代の在庫。
革はものすごく柔らかいとか、ものすごくしなやかだとか、ものすごく弾力性があるとか、そういう素晴らしい革ではない。
が、シボ革であること以外は変な加工はされていないし、破たんのないきれいな普通の革である。
丈夫さ、剛性は非常に強いと思う。
この靴はそれを求めているからこれでいいのだ。



雪道対応ソール。寒冷地、豪雪地帯でこそ威力を発揮するソールなのだろうが、
南国の人間にはわからない。
中央の黄色いゴムの部分は結構柔らかい。
アスファルトの上を歩けばかなり擦れが早いだろう。


つくりは非常に手間がかかっている。
踵の成形はすばらしい。
木型にしっかりと手で釣り込んでいるからこそ、これだけの立体的な踵にになると思うが・・・。
インソールを見ると、ハンドソーンですくい縫いされた跡が見える。


ウエルトはL字型のストームウエルトだっけ?
そしてウエルトは靴の周囲をぐるりと一周している。

シボ革、360°ストームウエルト、これだけの条件が揃えば、かなり押し出しの強いゴツい靴になるものだが、この靴はそれほど自己主張が強くない。控えめな感じがする。
全体的に、木型に忠実に釣り込み、きちんとまとめてあるからかもしれない。
甲からつま先にかけての曲線がとてもきれいだと思う。
まじめで誠実な靴。そんな印象だ。
まだ足を入れただけで歩いてはいないが、足入れが非常によく、ストレスを感じない。
つくりの丁寧さによるものだと思う。
これが15,000円とは、誰も思うまい。
価格と品質のバランスが悪すぎ・・・といったら、普通は悪口なのだが、この靴の場合は褒め言葉。
明らかに品質が価格を超えている。
本来の価格(ソールはコマンドタイプだが)でもこれに+5000円程度で、やはり品質の方がはるかに高い。
最後に・・・
靴と一緒にこんなものが入っていた。

三交製靴の皆さんも、まじめで誠実で温かい人たちなのだと思う。