あいかわらず元気で人懐っこい声だった。
電話をした理由は2つある。
まずは1つめ。

初来店で購入した「信義」ブランドのストラップブーツ
この店、この靴については、
「素敵な出会い その1」
「HASHIMOTO ORIGINAL SHOES ”信義” モンクストラップブーツ」
に詳しく書いた。
この靴、最近、左足の方が緩く感じるようになった。
そこで、今はこんな風になっている。


おかげでサイズはちょうどいいのだが、左右で中の色は違うし、ロゴは見えないし、何だかカッコ悪い。
靴を脱がない限りは見えないので、気にすることはない。
が、ここは自己満足の世界。
橋本さんに電話することにした。
左足が緩くなったこと、インソールきを入れて履いていることを伝え、
「靴を送るので、サイズ調整してくれませんか。」
「中底と同じ色の革を、ロゴが見えるように挿入してください。」
と、素人のくせに生意気にも方法まで指定。
すると橋本さん、豪快に笑いながら
「なるほど、そういうやり方もいいけど、別のやり方もあるよ。」
・・・・・・と言って教えてくれた方法は、素人の私には驚くべきやり方だった。
一言でいうと、
「靴全体を濡らして縮める」のだそうだ。
靴を部分的に濡らしてストレッチするのは知っていたが、縮めるとは!
革は濡れた状態で負荷をかけると伸びる。これがストレッチ。
が、濡れた状態でそのままにしておくと縮むのだそうだ。
この性質の応用である。
ただし、作業は一言では終わらない。
要は「木型」。
この靴を作ったときに使った木型を挿入した状態で縮ませる。
この作業によって型崩れを防ぐ。
それ以上のことは言わなかったが、他にもおそらく手の込んだ熟練の工程があるのだろう。
これは、リペア店ではできない作業である。
この靴が生れた工房でしかできない。
自分はしょせん素人だと思った。
この「縮ませ」の作業をお願いすることにした。
どれくらい縮ませるかという問題があるので、靴だけ送るのは無理がある。
この靴を持って行って、橋本さんと打ち合わせをしながら決めなければならない。
ということは、次の東京行まで待つことになるのである。
秋か、冬か・・・・というところである。
靴のハシモトに電話をしたもう一つの理由は・・・・・
次回。
