福岡のShoetyで買った FOOT-SO-PORT:Long wingtip 79年製


東京・原宿のLuby’sで買った FOOT-SO-PORT:U-tip 83年製


自分が持つこの2つのFOOT-SO-PORTを比べてみる。


まずはサイズ


サイズはハーフサイズ違う。
実際、並べてみても大きさがかなり違う。
ヒールの大きさもかなり違う。


が 、履いた時のサイズ感は同じなのだ。
Shoetyの店主は10.5Cが私のジャストサイズと思っていたようで,それはまさにジャストだったのだが,Luby‘sのが10Cと聞いて驚いていた。
同じウイングチップで10Cを履いてみたが,明らかにきつい。
木型の違いか?
いや,木型は同じなのだそうだ。
ライニングの「S4691」「S4611」の「46」が同じ木型であることをあらわしているのだそうだ。
デザインの違いによるものもあるかもしれない。
同じ木型から作られた靴でも、デザインが違うだけで合うサイズが違ってくるという「スミス・エヴァンス効果」が発揮されたのかも・・・・。
実際,同じ木型・同じサイズの2つのマスターロイド(パンチドキャップトゥとフルブローグ)が,サイズ感が全く違ったという経験がある。
店主といろいろと論議した結果,アメリカ靴にありがちな作りの甘さ・雑さに起因するのではないかということになった(笑)。
恐るべしアメリカ靴。
パテントナンバーは同じだから基本構造は同じ。
だが,土踏まずのアーチを支える部分を見ると・・・。


79年製のほうがアーチ部分が大きい。
というか,中敷きに覆われているべき中物の革がはみ出している。
※ この点については,他の70sの個体を見てもはみ出していないものの方が多いので,単に個体差というか,作りがアバウトだということだろう。アメリカ靴恐るべし。
しかも,中物の革の厚みも79年製のほうが分厚い。
ちなみに80sのアーチ部の中物はこれくらい。明らかにちやっちくて薄い。

この,アーチ部分の突き上げというか,支え方は79年製のほうが強い。
83年製は足へのあたりがソフトになっている。
これは中物の違いによるものだろう。
靴全体で見ても,79年製はアッパーがしっかりとしていて,ソールもダブルソールなので,全体的に硬めでがっしりしている。

83年製はアッパーが比較的柔らかく,シングルソールなので,全体的にソフトな履き心地である。
好みが分かれるところだが,私は79年製のがっしり感が好きだ。
同じメーカーで,同じ木型で,同じ構造の靴だが,時代を反映してか,履き心地が変わってきているのが興味深い。

ちなみに、ライニングの表記を見ると、ウィズ表記のアルファベットが「A/C」「C/A」と逆になっている。
年代表記も「1279」「338」と逆になっている。
もちろん中敷きのデザインも違う。
ただ、中敷きについては、82年製でもシールタイプのものが存在しているようだ。
79年製と83年製。
たった4年しか違わないが、この間に(もっと絞り込めると思うが)、FOOT-SO-PORTが大きく変わったと考えられる。
それでも、80sの FOOT-SO-PORT も素晴らしい履き心地であることは言うまでもない。
