持っている国産靴シリーズ第2弾
【 注文靴フルハンド編 】
もうネタがなくなってきた感があるこのシリーズ(笑)
オーダーして作った靴のうち、ハンドソーンウェルトでアウトソールの底付けも手縫いのいわゆる10分仕立て。
1つはこれ。


「hand sewn welted boot maker o.e.」
ブランドの名前が靴の製法そのまま(笑)、わかりやすい。
もうひとつ。


「カビリアの靴」
並べてみる。


下側から見ると



ソールの仕上げについては、カビリアのほうが手が込んでいる。



ウエストの絞りもカビリアの方が強い。
しかもウエスト部分コバを叩いて縫い目が上から見えないようにしてある。

o.e. は出し縫い糸を染めていない。50s風?
出し縫いのピッチもカビリアの方が細かい。
ただし、画像からはわかりにくいが、出し縫いのラインはo.e. の方がきれいである。
比べてみると、カビリアの方が自己主張が強い靴である。
「曲線」にこだわっていると感じた。
何も言わなかったら、キャップの切り返しのラインまでカーブを描く。
私はそれが嫌いだから、このラインだけは注文を付けてまっすぐにしてもらった。
見た目のシルエットはo.e. のほうが好きだ。
どちらかというと控えめな表情だから。
どちらも私の足を採寸し、フィッティングサンプルを履き、既成のラストに革を盛って整形して作ってあるので、純粋なビスポークではない。
もちろん、私にはビスポークする経済的な余裕もない。
だが、こういうパターンオーダー的な作り方のおかげで、価格は驚くほど良心的だった。
「だった」と書いたのは、今はそれほど安くはないからだ。
o.e. は完成してから7年半、カビリアは4年半ぐらいになる。
どちらも工房が開いて間もないころに作ったもの。
今は、その2倍弱くらいの価格になっている。
原材料や物価の高騰だからなのだろうか?それとも最初の価格に無理があったのか?
もちろんフルハンドだから、今の9分仕立ての靴の価格を考えるとこれでも良心的といえるのかもしれないが・・・・・。
今では私には手が出せない価格になってしまっているのが残念。


どちらもとても素晴らしい靴。
だが、今後注文することはないだろう。
値上がり前に注文しておけばよかったと後悔している。