HUNGRY HEART~いつも何かを求めて~

地方在住の50過ぎの中年です。 靴や革製品などの他に、趣味や家族、社会などあらゆることについての自分の思いをだらだらと書き綴っていきたいと思っています。 何かコメントがありましたら遠慮なさらずにどうそ。

注文靴の遍歴 4

私の注文靴史(そんな偉そうなもんじゃござんせんが)の中で、最大の黒歴史

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稲森靴店のセミブローグ

2010年3月完成

英国製のセミブローグに惹かれていた時期に注文。

マスターロイドのバークレーがいつまでたっても買えない(マイサイズがない)ものだから・・・・

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よく見たら似てない(笑)。
メダリオンはまるで違う。


鹿児島に古くからある昭和の靴屋。
高齢の店主が一人で黙々と作っていた。

国産のカーフ(本当に薄くて小判だった)を選んだ。
ドイツボックスは残り1足分はあるよ、と言われたが、黒のみだったのでパスした。
革はどれを使っても同じ価格ということだったので、あとから後悔した(このパターンばかりだ)。

虫の知らせか、注文後に電話で確認したら、こちらはハンドソーンウェルテッドでお願いしたつもりだったが、むこうはマッケイのつもりだった。
慌ててハンドソーンをお願いしたら
「価格が上がりますよ」と言われてビビった。
「いくら上がりますか?」
「2,000円です」(驚)
「ぜひ、お願いします」というやり取りを今でも覚えている。(笑)

完成後、送られてきたのは

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マッケイからハンドソーンへの変更でたった2,000円UPというのも驚いたが、それがフルハンドだったのには更に驚いた。

フルハンドだった理由が、「機械がないから」というのにもまた驚いた(笑)。

inamori2010 3 3

アッパーのステッチ、穴飾り、ソールの仕上げなどははっきり言って雑。
でも、その分味がある。
全体的な見た目は悪くない。

しかし、サイズが緩かった。
特に右足の方はかなり緩かった。

この工房は、最終的にインソールによってフィッティングを完成させる。
インソールが靴全面に敷かれているのにまだ緩い。
電話をしたら、インソールを新しく作り直して送ってきた。

それはインソールを2枚貼り合わせたもの。

確かに緩さは解消されたが、逆に甲部分が圧迫される。
また、レースステイ部が私の甲にフィットしていない。
しょうがないからタンパッドを貼った。
それでも今一つだった。

靴単体としてはいい雰囲気を持っていたが、私の足に合っていない(笑)。
いったい何のためにオーダーしたかわからない状態。

それでも履き続け、2年半後にはこんな感じにいい味が出てきた。

inamori2012 12

inamori2012 12(2)


そして、私は履き心地のさらなる改良を求め(半ば意地である)、
東京のインソール専門店にマイインソールを注文した。

ブログ③

このインソールは私の足とこの靴に合わせて作った。
だから、この靴にはぴったり合う。

P1020530.jpg

これで履き心地はかなり解消された。

が・・・・

レースステイ部のあまり具合はどうにもならなかった。


そして、この靴は手放すことになった。

ずいぶんと頑張ったつもりだったが、心が限界だった。

繰り返し言うが、作りは素晴らしかったのだ。

だが、注文靴でありながら、既成靴よりも 私の足 に合っていないという珍現象が起きたのだ。


なぜこのような事態になったのか。

一番の原因は、私が未熟だったからだ。

職人がこの道ン十年の超ベテランで、この靴屋がずっと現役で続いてきたということに安心しきっていた。

その結果、自分の細かい意見や情報をきちんと伝えるという最低限のことを怠ってしまった。

サンプルシューズがあればそれも大丈夫だろうが、それさえもなかったのに・・・・。

相手がベテランでも、「すべておまかせ」ではいけないのだ。



はっきり言って、この靴は私にとっては大きな失敗だった。

だが、人は失敗によって多くを学ぶことがある。

この経験がそれ以降の靴の注文に生かされているのは間違いない。

黒歴史も役に立つと思えば、自分の未熟さに対する腹の虫も少しは治まる。


inamori yoko

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 靴について

2 Comments

なおけんた  

Re: No title

europeanblend さん

> マッケイ→ハンドソーンで2000円のアップチャージって(^^ゞ
> 福岡の例の老舗注文靴屋さんのも最終的にはインソールで調整する感じですよね。昭和の靴屋さんはこんな感じが多いのでしょうか。

すべてがそうだとは思いませんが、そういう傾向の靴屋さんも多いということでしょうね。
関東は少ないような気がします。



> みきおさんの疑問に乗っかる感じで申し訳ないのですが、やはり木型から作ってもらうと2、30万~になるという認識でよろしいんでしょうか? 既存の木型ベースなら高くても15万とか。もちろん革や製法にもよるのでしょうけど。。。

英国のフォスター&サンの画像を見ると、「木」からラストを削りだしているのを見たことがあるんですが、英国のビスポークはこんな感じなんでしょうね。日本でもそういう木型は高いんでしょうね。パターンオーダーなら既存の木型に革を盛って(プラスのみで、使いまわしができます)調整するから安いんですね。既存のラスト(木製もありますが最近の日本は樹脂製が多いですよね)を削って(マイナスですから使いまわしができません)マイラストにする場合は、店によって違いますが、ラスト代で24000円~50000円くらいかなと思います。一番安い24000円は鹿児島のCITTAです。


> それにしても老練な職人さんだからといって合わないこともあるんですね。勉強になります。
> 昔、親父が近所の注文靴店で1足作ったのですが、これがまたブサイクな靴で(笑)。幅広だったんで、その通りにトレースしたモノだったんです。ですから昭和の靴屋さんにはその印象が残ってました(^^ゞ
> なおけんたさんが、「やっぱり注文靴は東京」と思ってらっしゃったのはその辺もあるのでしょうか?スタイリッシュに作ってもらえるという意味で。

私の足もブサイクです(笑)が、良い靴というのは、履き心地だけでなく、ブサイクな足をどれだけ奇麗に補正してくれるかというところも大事ですよね。スーツと同様です。昭和の靴屋でそれができるところもたくさんあると思うんですけどね。現に、ハシモトさんは奇麗に作ってくれますし、あの関さんもそうでしたし、銀座ヨシノヤの靴を作っている小笠原シューズさんもすばらしいですよね。「さすが東京」という感じは持ってますね。

2015/12/15 (Tue) 19:26 | REPLY |   

europeanblend  

No title

マッケイ→ハンドソーンで2000円のアップチャージって(^^ゞ

福岡の例の老舗注文靴屋さんのも最終的にはインソールで調整する感じですよね。昭和の靴屋さんはこんな感じが多いのでしょうか。

みきおさんの疑問に乗っかる感じで申し訳ないのですが、やはり木型から作ってもらうと2、30万~になるという認識でよろしいんでしょうか? 既存の木型ベースなら高くても15万とか。もちろん革や製法にもよるのでしょうけど。。。

それにしても老練な職人さんだからといって合わないこともあるんですね。勉強になります。

昔、親父が近所の注文靴店で1足作ったのですが、これがまたブサイクな靴で(笑)。幅広だったんで、その通りにトレースしたモノだったんです。ですから昭和の靴屋さんにはその印象が残ってました(^^ゞ

なおけんたさんが、「やっぱり注文靴は東京」と思ってらっしゃったのはその辺もあるのでしょうか?スタイリッシュに作ってもらえるという意味で。

2015/12/15 (Tue) 16:42 | EDIT | REPLY |   

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