東京の靴リペア工房「浅草コブラー」

11月末に、ここのオリジナルシューズを注文した。
そして昨日届いた。約1か月半という非常に短い納期。
ベースモデルはこれ。

Floesheim ”The Viking”


センスのいいオリジナルの靴袋から取り出した靴は・・・



もちろんアッパーの色は焦げ茶だし、スムースレザーだし、木型も違うので全く同じ靴ではない。
だが、ずいぶんと雰囲気の違う靴となって出来上がってきた。
全体的に見ると、Vikingを上手く(小さく)まとめたというか、アクの強さを取り払って、合わせやすい癖のない靴に仕上がっている。





デザイン的には、羽根周りからソールに向かう2列×2本のステッチをもっと直線的にして、カーブをもっと直角に近い角度に攻めてもらった方がよかったかな。
それから、アッパーのステッチの色を革と同色にしてしまったことが少し悔いが残る。
ステッチを黒にしたら強調されていたかな。このステッチに関しては私自身が「同色」でお願いしていたので文句は言えない。
型押し革を選択しなかったのも思い切りが悪く、失敗を恐れてどこか安全圏に逃げようとしていたのかもしれない。
要するに、注文主(私)の甘さが出たというところか。
そしてやはり決定的な違いは、デザイン上の大きなアクセントであるキャップのエッジのライン。




職人さんはよく頑張ってくれた。
キャップのエッジを漉かずに、革の厚みをそのまま出してくれたし、わざわざピンキングはさみでギザギザを作ってくれたそうだ。
しかし、本来の革の厚みが全く違うので、これが限界だった。
ピンキングの大きさもなかなかはさみでは出せない。
Vikingの雰囲気を出そうとしたら、まずは革から勝負をかけないといけないということだ。
Vikingの再現はできなかったが、とてもいい靴であることは間違いない(負け惜しみではない!)(笑)。
破たんのない上品な仕上がり。
非常に履きやすい木型(ツイステッドラストと言うのだそうだ)に忠実に作ってあって、靴としての機能はとても優れている。
手前味噌ながら、デザイン的にも非常にバランスの取れたいい雰囲気の靴ができたと思っている。

詳細は後日に。