
1,古靴のバケツドボンについて
「古靴のバケツドボンは危険度が高い。特に、50s、60sの靴は危険。」
乾いた後にライニングが縮んで硬くなり、裂けてしまう場合が多いのだそうだ。
実際、そのような状態になって修理に持ち込まれた個体を見せてもらった。
ライニングが・・・・スルメになってる❗️
ホラーより恐ろしい。
私は2度ほどバケツドボンをして何ともないが、70s半ばのものと比較的最近の個体だった。
思い起こせば、先日手に入れたコイツ(60sフローシャイムインペリアル)は、最初バケツドボンをするつもりだったのだ。

クリーナーで思いのほか汚れがとれたからドボンをしなかっただけだ。
運が良かった。
バケツドボンは、本当にどうしようもない場合に、どんな結果になっても惜しくない靴に対して行う最終兵器と思わなければならない。
2,靴べらについて
今回S8Sに行った大きな目的は2足の靴のリペア。
どちらも踵にクラックがある。


依頼しながら、
「靴べらを使ったのになぜクラックができるのか(しかもたった1度で)」という話題に。
堀口さんの意見は
「靴べらの幅が広いから」
多くの靴べらの幅は広くて、靴の踵に合っていない。
したがって、靴を履くときに踵を無理矢理広げてしまうことになる。
さらに、古靴は革が弱っているために、靴べらによる「拡張」に耐えられない。
その結果、クラックが生じる。
なるほど、目からウロコ。
靴べらの幅なんて考えたこともなかった。
靴べらを使って履けば大丈夫と思っていた。
現代の靴なら大丈夫かもしれないが、古靴には厳しいのだ。
であれば、細身の靴べらを使えばいいのだ。
そこで、こんなのに注目している。

(R&D ホームページより)
スリムなシューホーン。
その名も「フィッティングシューホーン」
ところが、地元で売ってない(悲)。
だが、地元の懇意にしている洋服屋が、たまたま靴用品をR&Dに発注するときだったので、ついでにお願いすることにした。(在庫があればの話だけど)
これで踵クラックが解消されればいいんだけど。
S8Sは、単に古靴を売る、リペアするだけの店ではないのだ。
